SSブログ

ピーテル・ブリューゲル 一家 ルーブル美術館展 続き [お話]

レンブラントで追記しました
パソコンを使った” IT で鑑賞する絵画 "
ネタとして面白いのでトップに

現在、国立新美術館で特別展示「ルーヴル美術館展」(6月1日まで)
ピーテル・ブリューゲル(1525年-1530年頃生 - 1569年9月9日没)の《足なえ達》Les mendians が展示されています
1024px-Pieter_Bruegel_the_Elder_-_The_Cripples_-_WGA3518.jpgwiki より。えぐい絵だよね。もう少し、描き方ってあるよね
紹介してしまったので、今さらながらですがブリューゲル関連の絵がHDDのフォルダーに残っていたので、この際、紹介します。
ピーテル・ブリューゲル(父、または老)と表記されように、息子にピーテル・ブリューゲル(子)がいます。いわゆるジュニア、Ⅱ世。余り評価されていないようで、wikipedia英語サイトからであればweb Gallery のリンクがありました。個人所有が多いようです。彼は、火やグロテスクな登場人物をしばしば描いたため、「地獄のブリューゲル」とも呼ばれている。ボスキャラっぽい呼称が厨二を刺激する。絵筆で何かしらやらかしそう。オジー・オズボーンだ。
Ozzy.png
しかし意外にもオジー・オズボーンでも、Black Sabbath 名義でも「地獄の」という邦題タイトルは無い
ブリューゲルから相当、外れますが「地獄の」と格助詞が付いたタイトルは
41T7F27JKCL.jpg
地獄のハイウェイ HIGHWAY TO HELL / AC/DC 1979年。AC/DC と地獄とは全くもって関係ないと思う
ご存知KISS は、1974年 地獄のさけび Hotter Than Hell など10タイトル程。アンプラグドUnplugged に「停電」という邦題が付いていて、麦茶吹く
kiss.jpg
地獄のさけび Hotter Than Hell
ミートローフ Meat Loaf 本名をマーヴィン・リー・アーディー(Marvin Lee Aday)
meat loaf.jpg
地獄のロック・ライダー BAT OUT OF HELL 1977年
" Bat out of hell "は「すごいスピード」という意味らしい
この「地獄のバカライダー」は2012年時点の累計売り上げは4300万枚!日本ではほとんど知られていないロック歌手” ミートローフ "お勧めです
多分の日本のレコード会社は曲を聴いてないんじゃないかな?ジャケットだけ見て「地獄」と付けときゃ売れると思ってんだろ。同じく日本の映画配給会社も
絵画のタイトルを邦題にしたら、斜め方向に行ったのがあったら教えてください。ちなみにフェルメールの「真珠の耳飾の少女」より、「青いターバンの少女」の方がいいと思う。ターバンが青じゃなかったら、あの絵は評価されない。フェルメールの絵に見られる鮮やかな青は、「フェルメール・ブルー」と呼ばれているくらい。
さて
息子ピーテル・ブリューゲルの絵が見たくてGoogle で「地獄の・・」で検索したら
hell.jpg
ミサワ祭りでした。違います!違います!これがオチではありません
こういうのを探していました
ピーテル・ブリューゲル(子)『悪女フリート』Dulle Griet、英:Dull Gret (Mad Meg)
700px-Pieter_Bruegel_d._Ä._023.jpgwiki より
1562年115 cm × 161 cm 油彩 1562年 マイヤー・ファン・デン・ベルフ美術館(アントウェルペン)
さて、子が「地獄のブリューゲル」ならば、父は農民たちの生活を多く題材にしたことから、「農民画家ブリューゲル」とも呼ばれた(差別用語かもしれん、すまん「百姓ブリューゲル」と呼ばれた)。
父と子のピーテル・ブリューゲルですが、子の弟にヤン・ブリューゲル (父)がいます。彼は花を好んで描いたものですから「花のブリューゲル」と呼ばれています
Bouquet_(Jan_Brueghel_the_Elder).jpegwiki より
『花』(1603年)アルテ・ピナコテーク(Alte Pinakothek、旧絵画館)収蔵、ドイツ
ヤン・ブリューゲル (父)がいれば、ヤン・ブリューゲル (子)がいて、彼も画家です。父親のものと比べるとやや質が落ち、色遣いが明るいそうだ。そのヤン・ブリューゲル (父)の娘、(子)の妹アンナと結婚したのが画家ダフィット・テニールス (子)です
『レオポルト・ ウィルヘルム大公の画廊』(1651年)123 × 163 cm 油彩
P1020150.JPG
ウィーン 美術史博物館収蔵。絵をカバーするガラスに照明が当たって見にくくて恐縮です。聞いたことが無い画家だったので、記事には載せませんでした。ワイドレンズで絵画を撮るべきじゃないな
細部はこんな感じ。123 × 163 cmの絵なので、その緻密さが分かると思います
P1020151.JPG
ダフィット・テニールス (子)なら、(父)もいるのでしょう。というわけで、ピーテル・ブリューゲル一族に画家が7人いることになります。いいや、まだいます、ピーテル・ブリューゲル(父)の奥さんは師匠である画家ピーテル・クック・ファン・アールストの娘だそうだ。誰が上手いか下手かは分かりませんが、評価が一番高いのは、やはりお父さんでしょうか。

ついでに、ウィーン美術史博物館フォルダー総ざらい、バロックの巨匠レンブラントの自画像
P1020152.JPG
レンブラントほど自画像を残した画家はいません、その数60とも。「光と影の画家」「光と影の魔術師」とも呼ばれる画家ですが、有名な『夜警』は当時は評価されませんでした。レンブラントが自画像にこだわり、死ぬまで描き続けたのは、画法の研究のためだけではなく、人間の顔、つまり表情によって人間の内面を描こうとしたことが、60の自画像郡から想像できる。『夜警』でスポットライトが当たる3人の表情はのっぺりしていますが。レンブラントは裕福な家庭の女性と結婚しますが、先立たれ、その後、婚約不履行で訴えられたり、内縁の妻との間に子が出来たり、最後には破産宣告を受け、質素な日々の中で亡くなります。

もう一人、同じくバロックの画家スペイン絵画の黄金時代であった17世紀を代表する巨匠ディエゴ・ベラスケス
1659年絶筆となる『青いドレスのマルガリータ王女』127×107cm 油彩 ウィーン美術史博物館
P1020147.JPG
バロックの絵画の特徴は「華麗」、動もすると装飾過多、デコリ過ぎと言われます。宮廷画家に求められるのは、実物より美人・美男に描くこと、しかしそんな中、ベラスケスは王族からピエロまで公平に描いた。光りません、大げさなポーズはしません、人間のありのままを描いた。この『マルガリータ王女』の背景も潔いほどシンプル。という訳で、「鏡のようなリアリズム」、「画家の中の画家」、巨匠と評価されたのは19世紀印象派の時代に入ってからです。

※追加
レンブラント・ハルメンス・ファン・レインRembrandt Harmensz. van Rijn 17世紀を代表するオランダの画家
《聖家族》または《指物師の家族》La Sainte Famille ou Le Ménage du menuisier 1640年 41×34cm 油彩
を明るさがどうのとド素人が書きましたが、フォトショで目いっぱい明るくしたら、出てきたものが
Rembrandt.jpg
見事にまで細部の静物の描き込みがしてありました。これがレンブラントが放つ「光」なのだろう
キャンバス上部に円弧があります。傷かと思ったら、円弧を境に明暗が分かれています、窓から射す光の他に、この円弧が示す明暗は何を意味するのだろう?窓から射す光が反射して均等に広がるとすれば、その形は球形ということだろうか?ただ感心するばかり
元画
Rembrandt Sainte famille.jpg

同《夜警》
当時はもちろんカメラなどありませんから、画家に肖像画を描いてもらいます。それを生業とする画家も多くいました。しかし肖像画は高価でしたので、この「夜警」の様に集団ポートレートともいう形で発注されました。
The_Nightwatch_by_Rembrandt.jpg
しかし、この「夜警」は中央の2人しか光が当たっていないので発注元、客からは不評だったといいます。しかし「明るさ」を操作すると、” のっぺり "といわれた中央の2人を含め、少なくとも17人の表情がうかがえます。こうすれば客は満足したかもしれませんが、今の私たちを感動させることは無かった。皮肉なものですね
元画
The_Nightwatch_by_Rembrandt base.jpg
自身の肖像画を数多く描いたレンブラントですが、その肖像画がポートレートを受注するときの見本、プレゼンだったのかもしれませんね

※朗報
ルーヴル美術館展を開催中の国立新美術館でマグリット展3月25日(水)~6月29日(月)
Magritte.jpg
《男の息子》Le Fils de l'homme
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0