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Suzanne Vega Tales From the Realm of the Queen of Pentacles [NO MUSIC, NO LIFE.]

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Suzanne Vaga スザンヌ・ベガの7年ぶりのアルバムです。
ジャケットのSuzanne姉さん、なんか雰囲気少し怖い。昔は可愛かった。
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その前に、スザンヌ・ベガの1987年のアルバムSolitude Standing にLuka という曲が入っています。わかりやすいメロディラインでポップなテンポで素朴な明るい曲です。アコースティックギターが印象的ですね。80'sらしい曲です。

詩は以下の通りです。
My name is Luka
I live on the second floor
I live upstairs from you
Yes I think you've seen me before

If you hear something late at night
Some kind of trouble. some kind of fight
Just don't ask me what it was
Just don't ask me what it was
Just don't ask me what it was

I think it's because I'm clumsy
I try not to talk too loud
Maybe it's because I'm crazy
I try not to act too proud

著作権とやらがあるので全文載せちゃっていいのかな。構わない。Luka が男の子か女の子かわからない。PVには男の子が出てくるので男の子なのでしょう。

僕の名前はルカ
僕は2階で君の上の階に住んでる
君にはきっと会ったことあるよ
もし、真夜中に何か大きな音が聞こえても
(なんでもないんだ)
僕に何かあったなんて聞かないで

僕はダメな子供だからなんだと思う
あんまりおおきな声で話をしないようにしなきゃ
僕は変だから
たぶん、だからかもしれない
あまり目立つのは止めなきゃ
・・・・  

詩は幼児虐待を書いたものです。凄く悲しい歌です。ポップなメロディが、さらに曲を悲しくさせる。1980年代当時、日本でも当然話題を呼びました。幼児虐待と言う言葉は一般化しつつあったものの、アメリカの、違う国のことのように思われていました。まだ日本は文化的後進国でした。日本では、2000年にようやく「児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」が制定されました。しかしながら幼児虐待は潜在的に存在していたはずで、今でも毎日、幼児虐待について報道を見ない日はないのですから。何も進んでいない。何も解決されていない。
幼児虐待の原因として、しつけ、配偶者の暴力性、望まない妊娠、経済的困窮などあげられるが、どれ一つとっても何ら虐待への正当性として認められない。せいぜい、きっかけに過ぎない。都合のいい、言い訳です。
この歌は幼児虐待の本質的なもの、根深いものを歌っています。幼児虐待の残酷なところは、虐待される子供が、虐待の原因が自分にあるのではないかと思っていること。子供ですから、当然、生存について、親に、大人に依存しているわけですから、親、大人は絶対的な存在です。その状況下で虐待を受ける子供たちは親を恨むわけではなく、自分を責めるわけです。歌詞の通り、「僕はダメな子なんだ」、「僕は変な子なんだ」。何という悲しいことだろう。
児童憲章には”人”として尊ばれる。社会の一員として重んぜられる。よい環境の中で育てられる。と書かれています(憲章制定は5月5日)。当たり前のことが書いてありますが、世の中にはそれらを保障されない子供が何人いることか。

このニューアルバムTales From the Realm of the Queen of Pentacles にSong Of the Stoic という曲が収められています。
詩は以下の通りです。

Now I turn around to face
The specter of my age
My soul it fights my body
Like a bird will fight its cage.

I see that last horizon
I hope it brings me peace
I look forward to the day
At last my body knows release.

全文を訳したいのですが、私の英語力ではこの曲のメッセージが飛んでしまう。

私のこれからの人生より、過去に背負った人生の方が長い
私はそれを感じて振り返ってみる
体と骨への痛み、あざ、それが18年間の事実、これが私の物語である

Luka の話は終わっていませんでした。彼は18年間暴力を受け続けた。骨まで達するかのような痛みは、あざとなって、記憶となって彼の体に残っている。
しかし、救いがありました、癒してくれる女性と巡り合い結婚したこと。
彼の過去は忌まわしい亡霊のように付きまとうけど、彼は強くそれに立ち向かい、いつの日かその忌まわしい傷から解き放たれることを信じて。
救いがある結末でよかった。Luka は強い大人になっていた。人を愛することができる。愛することができるのは、人として重要なことだと思います。人として最も、「人」らしいことだと思います。

ごめんなさい。曲としては単調で重く、好みではありませんでした。エンディングにかけてのコーラスと、ストリングスに希望みたいな明るさを感じました。ライナーノーツを読んだら豪勢なメンバーで作ったそうな、このアルバム。でも、豪勢なメンバーを出さなきゃ購買欲が出ないということかな。Luka に興味がある人は聞けばいいと思う。




偶然にも今日4月22日は正教会で聖人Luka を祝福する日だそうです。世界中の子供たちが祝福されますように。

付記
音楽の話。Solitude Standing にTom's Diner という曲が収められています。これが1987 年世界で初めてmp3 で配信された曲だそうです。携帯音楽プレイヤー時代の幕開けを飾った曲です。日本でCMにも使われました。くちずさんでしまう面白い曲です。
ネット配信が世界の音楽事業・業界を大きく変える
ことを当時は誰も考えませんでした。

オフィシャルのPVは見つかりませんでした。こちらはVega に無断でリミックスされ本人の激怒を買ったPVです。Officialと書いてあるけど。
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